オーラルフレイル(口腔機能低下症)

オーラルフレイル(口腔機能低下症)

オーラルフレイル(口腔機能低下症)とは

「口腔機能低下」とは、加齢により口腔内の「感覚」「咀嚼」「嚥下」「唾液分泌」等の機能が徐々に低下してくる症状です。オーラルフレイル(口腔機能低下症)が疑われる場合、歯科医院で口腔機能検査を行うことができます。検査の結果、口腔機能の低下が疑われる場合、「口腔機能低下症」という病名になります。歯科医師が「口腔機能低下症」について、口腔衛生管理および口腔機能管理に積極的に介入することで、ご高齢の方の豊かな食生活と健康維持の実現をサポート可能です。

※図:日本老年歯科医学会より

口腔機能低下症の検査

口腔機能低下症の検査は7つの項目を行い、その内、3つ以上の項目が基準値以下であれば「口腔機能低下症」と診断されます。

① 口腔衛生状態不良の評価

・舌苔付着度(TCI)

② 口腔乾燥の評価

・口腔水分計による計測
・サクソンテスト(ガーゼ)

③ 咬合力低下の評価

・感圧フィルムによる計測
・残存歯数

④ 口腔乾燥の評価

・オーラル ディアドコキネシス

⑤ 低舌圧の評価

・JMS舌圧計

⑥ 咀嚼機能低下の評価

・グミゼリーを用いた検査
・咀嚼能率スコア法による評価

⑦ 嚥下機能低下の評価

・EAT-10
・聖隷式嚥下質問紙

口腔機能低下症に該当の場合

放置すると食べられる食品が減っていき、徐々に食事が困難となり、要介護の原因となる可能性があります。

口腔衛生状態不良(口腔不潔)の改善に向けて

舌専用ブラシで舌磨きを行い、清潔なお口を目指すことが大切です。 

口腔乾燥の改善に向けて

唾液腺マッサージなど行いお口の中のうるおいを保つことが大切です。 

咬合力低下の改善に向けて

噛む力の改善のためには、被せ物や入れ歯の製作、噛み合わせの調整などの歯科治療が大切です。また、噛み応えのある食事を食べることも効果的です。

舌口唇運動機能低下の改善に向けて

唇や頬の力を鍛えることができる器具や笛などを使用します。また、おしゃべりやカラオケを楽しもことも効果的です。

低舌圧の改善に向けて

舌のトレーニングを行うことで、舌圧の上昇けでなく、誤嚥の減少や肺炎リスクの低下にもつながります。

咀嚼機能低下の改善に向けて

むし歯、歯周病、入れ歯などの歯科治療を受け、咀嚼機能の改善をはかることが大切です。また、噛む回数などの食べ方の指導や、ガムを噛むことによる咀嚼機能の鍛錬も大切です。

嚥下機能低下の改善に向けて

嚥下おでこ体操、開口によるトレーニング、ボールを用いたトレーニングなど、飲み込みの力や、呼吸の力を鍛えるのがが効果的です。