根が割れた歯(歯根破折)の治療

歯根破折(しこんはせつ)とは

歯の根(歯根)が割れることを「歯根破折(しこんはせつ)」といいます。神経(歯髄)がある歯の場合、血流があり、歯は強く、歯根破折は多くありません。また、歯根破折を起こした場合には、神経があることから、痛みなどの症状が現れます。

ところが神経(歯髄)を取った歯(失活歯)の場合、当然、歯に血流は途絶えており、枯れ木のように歯は脆くなります。

さらに神経を取った歯には、金属のコア(土台)を差し込んでいることが多く、これが楔に様に働いて、歯根を縦に割るように破折させてしまうことが少なくありません。そのような場合には、破折した隙間から細菌が入り込み、歯肉が腫れたり、歯肉から膿がでたり、フィステル(歯の根の炎症などがある場合に、膿を出すためにできた穴)を作って排膿したりします。

日本人の歯を失う原因の1位は歯周病、2位は虫歯、4位が歯根破折となっています。

歯根破折の治療について

歯根破折に対する治療は、現在の歯科医療では「抜歯」が一般的です。しかし、当院では歯根破折を起こした歯であっても治療を行う場合があります。もちろん、全ての歯根破折歯を救えるというわけではありませんが、感染源を徹底的に除去し、破折部を完全に密閉する事で治療できる場合があるのです。当院では、マイクロスコープ(歯科用実体顕微鏡)を導入しており、また、精密な接着操作と、厳選した接着材料などによって、歯根破折の状態によっては、歯を保存できる場合があります。 

歯根破折歯の治療方法

歯根破折を起こした歯が、精密な診査・診断の結果、治療できると判断した場合、主に2通りの方法があります。口腔内において根管治療を行い、接着処置をしたうえで歯を保存する「口腔内接着法」と、一度破折歯を抜歯し、感染部分の除去や接着処置を行った上で、再植(意図的再植)する「口腔外接着法」があります。

  • 口腔内接着法
  • 口腔外接着法  

歯根破折歯の治療のポイント

破折歯は一般的に抜歯 ⇒ 当院では状態によっては保存可能な場合も

一般的に破折歯は抜歯が常識となっていますが、当院では、歯質の状態、残存歯質の量、感染の状態、破折の位置、破折の方向などによって保存可能な場合があります。

治療の成功率と再発リスク

破折したばかりで感染が少ない歯は、保存できる率が高く、破折してから日数が経過し、感染が多い歯は、保存できる率は低くなります。