親知らずの抜歯
親知らずについて
親知らずは「大臼歯」の中で最も後ろに位置する歯のことで、正式には「第三大臼歯」といいます。中切歯(最前方の前歯)から数えて8番目の歯で、永久歯の中で一番最後に生えてきます(多くは10代後半から20代前半)。
その名の通り、親に知られることなく生えてくることがその名前の由来だといわれています。
親知らずによって引き起こされる「症状」
・噛むと痛む
・歯茎が腫れる
・顔が腫れている
・のみ込む時に痛む
・発熱
・その他
親知らずによって引き起こされる「痛みの原因」
親知らずが「隣の歯を圧迫」
親知らずが、横向きや斜めに生えてきた場合、隣の歯を圧迫することがあります。そのようなときには、噛んだ時に痛みが出ることがあります。
親知らずが「歯茎を傷つけている」
親知らずが生えてくるときに、歯茎を突き破り、歯茎が傷つき、腫れて盛り上がり、痛みの原因になることがあります。
親知らずが隣の歯を「突き破っている」
親知らずが横に生えたり、斜めに生えた場合、隣の歯を突き破ってしまい、感染、炎症が生じて、ズキズキ痛んできたり、腫れるなどの症状が出ることがあります。
歯科用CTによる精密な診査・診断
歯科用CTでは、歯、あごの骨、骨の中の神経や血管、親知らずの近くにある下顎菅などについても3次元の立体画像で精密に確認できます。 このことによって、従来のレントゲンの2次元画像だけではわからなかった、親知らず抜歯に伴うリスクの把握がより精密に行えます。
また、逆に、歯科用CTによって、治療中止の判断も可能となります。親知らずの状態が一般の歯科医院では対応が難しい場合、口腔外科を紹介することが可能です。
親知らずの抜歯難易度
まっすぐに生えている場合 (抜歯難易度 ☆☆★)
親知らずがまっすぐに生えている場合は、比較的難易度は低いです。
横向きに生えている場合 (抜歯難易度 ☆★★)
骨への埋まり方などによっては難易度が上がることがあります。
埋まっている場合 (抜歯難易度 ★★★)
難易度が最も高いケースです。
親知らずの抜歯後に気を付けること
抜歯した当日は安静にする(結構の良くなることを避けること)
当日は出血しやすいため、長風呂、運動など血行が良くなることを避けましょう。
腫れがある場合は適度に冷やす(冷やし過ぎないこと)
腫れ、痛み、熱をもっているなどの場合は、軽く冷やすのも良いですが、冷やしすぎると血流の循環が悪くなり逆に治りが悪くなることがあるため要注意です。
大きなうがいはしない(血の塊を除去しないこと)
口の中は常に濡れた状況なので、膝を擦りむいた時のようにかさぶたができるわけではなく、血の塊ができて抜歯をした穴にとどまりかさぶたの代わりをします。そのため、うがいをしすぎるとそのかさぶたが取れ、骨がむき出しの状態(ドライソケット)になり痛みが出てしまいます。当日は激しいうがいを避けましょう。
歯ブラシなどでこすらない(傷口をさらに傷つけないこと)
傷口を歯ブラシで傷つけないようにしましょう。
抜歯後の腫れが出てしまった場合の注意点
腫れの期間はどれくらい?
腫れが出るかどうかは人それぞれです。また腫れの程度にも個人差があります。一般的に、親知らずの抜歯による腫れは、2~3日がピークです。その後、1週間ほどかけて腫れは引いていきます。
特に注意すべき腫れ方
首すじまで腫れている、喉周辺まで腫れているといったケースでは、すぐご連絡、ご来院ください。
親知らずの抜歯の流れ
①お薬
術後の感染を最小限に抑えるため抗生剤と痛み止めを服用します。
②麻酔
表面麻酔、局所麻酔を行い、必要に応じて下顎伝達麻酔も行います。
③抜歯
抜歯のため、切開、歯の分割、骨の削合などの処置を行います。
④洗浄
抜歯した部位を洗浄します。
⑤止血
原則圧迫止血や縫合を行います。
⑥処置完了
抜歯当日は、安静を守ってください。
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